◆【PROLOGUE】

文化祭間近で校内が慌ただしい。
それとはまったく関係ないんだけど、休み時間体育館で遊んでいたオレは、
勢い余ってすっ転び足をひねった。

生徒「音羽(オトハ)大丈夫か? 保健室? 行く?」
音羽「こんくらいフツーだって。行かない行かない。次の授業なんだっけ?」
生徒「文化祭の出し物決めんだってさ」
音羽「マジで!? かったりーっ。文化祭のクラス出し物なんて、なんでもいーっつーの」

マジだりぃーってか、キョーミないって、そんなの。やりたいヤツが勝手に決めればいーじゃん?

もちろん、即逃げ決定で、体育館から逃走。
どこでサボってようかな。

柚羽「音羽―ッ! ちょっと待った――ッ!」

大声で呼ばれて振り返った視線の先には、
兄の柚羽(ユズハ)が友達の輪から外れて近寄ってきていた。
体操服を着ているということは、兄貴は次の時間体育か。
運悪ぃーてか、サイアク……。

見なかったことにして即逃げ体勢に入ったオレは、兄貴に簡単にとっ捕まった。

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